遣唐使の加拉巴(Jakarta)漂流記

と或る日系企業の管理畑で働いている田舎者が、遣唐使として中国に派遣された後、今度は東南アジア・インドネシアに派遣されたお話です。日々気づいたことをレポートします。内容については十分確認をとっていますが、あくまで筆者の主観によるものであり、また、正確さについて担保するものでないことは十分ご承知おきください。

給与に見合った仕事?

新しい上司に「君の給与も僕とそんなに変わらないんだから、給与に見合った仕事しなきゃ」と言われ、まぁもやもやしている。

この新しい上司はかなり気さくないい人で、仕事のスピードも早いし、適度な細かさも持ち合わせているから、結構いいと思っている。上記発言は、給与、というかコスト全体のことを意図した発言で、駐在員ということで、現地の個人所得税や社宅、社有車、ゴルフ会員権を含めると、確かに給与の倍はコストなわけで、どう考えてもコストに見合うはずはない。日系企業駐在員の永遠の課題だろう。ぶっちゃけ一番もやもやしたのは、「流石にあなたとは給与は一緒ではない」というところで、またどこかで書くけれど、当方は現在の給与に非常に不満である。一国の現地法人主管者であるあなたと給与が一緒なはずはありませんww たぶん額面で2倍くらい違うはずですw まぁこういう抜けたことをいうあたりが、この人の可愛らしいところなんだけれど。

 

しかして、この「給与に見合った仕事」というのが、担当者意識の抜けない当方としては、イマイチよくわからない。担当者としては、細部まで詰めるのが責務だし、ミッションが雑用一般なのだから、必然的に細かい、手を動かす仕事になってしまう。

前回のエントリでも書いたけれど、某おっさん社員は当方とは全く逆で、全く手を動かさない。仕事はスタッフに全部任せ、目立つところばかり取りに行く。あとは会食とゴルフ。僕よりも年次・職階が上で、よっぽど給与に見合った仕事をするべき人だけれど、彼の給与に見合った仕事とは何なのだろう。多分会社で30万ドルくらい年間で負担してるわけだけど、これが給与に見合った仕事なのだろうか。矢面に出ること?某金融機関に電話かけまくること?同業他社とひたすらゴルフをすること?彼だから取れる情報は果たしてあるのだろうか?

でもこれは当方にも当てはまる。当方がやっているのは、本当に雑用ばかりで、正直大学生だってできる。社会人の10年の勘があるから、なんとなくメールの相手の気持が読めたり、先が見通せたりするくらいかな。本当は自分で手を動かすんじゃなくて、スタッフにやらせるのがいいんだろうけど、もちろんそれもやるけど、それに馴染まない業務もあるし、スピード感が合わないことが多いから結局やってしまっている。こういうのを移植して、効率化・コスト削減をするのが「給与に見合った仕事」なのかなぁ。

 

こう考えてて、少し話は飛ぶけれど、こういった発想をもってしまった経営陣のある企業で、DXなんて進まないだろうなと思ってしまう。DXはシステム・ITに関する知識が必須だけど、あれは言語なので、実際に手を動かさないと身につかない。身についていないITに関する評論は、英語を話せない人が英語を語るのと同じくらい馬鹿げている。でも、「給与に見合った仕事」をする人は、手を動かさないから、DXに必要なものが大きく欠けることになる。

 

結局当方は担当者として深く突っ込みたいし、知りたい、というのがまずある。誰よりもその事業、案件を知っていたい、プライムの営業じゃないから全部はわからないけど、勘所くらいはしっかり掴みたい、と思うのです。なので、やっぱり細かく気にしたいし、わからないことがあったら自分で手を動かしちゃうと思う。もっとチームを巻き込んで行くことが必要なのかな。

 

「給与に見合った仕事」にはまだまだ遠い気がする。